Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
大野 豊; Biswas, K. K.*; 宮崎 裕士*; 清末 知宏*; 鳴海 一成
no journal, ,
われわれはこれまで、アンチオーキシンとして知られるPCIB(パラクロロイソ酪酸)を用いて根の伸長を指標に変異体のスクリーニングを行ってきた。その結果、少なくとも3種類の新奇変異体を得ることに成功した。その中の一つであるは、根の伸長試験において、PCIBのみならず2,4-Dにも感受性が低下した変異体であった。その原因遺伝子は、DUF298(Domain of Unknown Function 298)という機能不明のドメインを持つタンパク質をコードしていた。このタンパク質は核局在シグナルと思われる配列を持ち、プロトプラストを用いた一過的発現解析で、核に局在することが確認された。また、このタンパク質はDUF298領域を介してDCN-1(DEFFECTIVE IN CULLIN NEDDYLATION 1)タンパク質と相同性を有していた。しかし、オーキシン応答マーカーである及びを用いた2,4-D感受性試験では、野生型との間で明確な違いが観察されず、がこれまでに知られている作用機構とは異なる機構で2,4-Dの感受性に関与している可能性が示唆された。
岡本 崇*; Rahman, A.*; 大野 豊; 鶴見 誠二*
no journal, ,
植物の根の先端に物理的刺激が恒常的に与えられるシンプルな実験系-透析膜でカバーした寒天培地上に播種し、水平に置いて生育する-を開発し、根が寒天に潜り損なう過程で得られる恒常的な物理的刺激が、の根の形態形成にどのような影響を与えているかを研究している。これまでに(1)の根の伸長は、恒常的な物理的刺激を受けている場合に根の成長はコントロールに比べおよそ半分となっていることと、(2)恒常的な物理的刺激の下ではエチレン産生向上を伴うことなくエチレン応答が増幅していることを明らかにした。さらに、恒常的な物理的刺激が根の伸長阻害にどのように影響しているのかを調べる目的で、オーキシン応答とのクロストークに注目し、, 染色及びオーキシン関連遺伝子のリアルタイムPCRによって解析したので報告する。
北村 智; 鳴海 一成
no journal, ,
フラボノイド化合物は、色素や紫外線防護物質などのさまざまな生理機能を有する重要な植物生産性二次代謝産物で、その生合成過程についてはその全容が明らかになりつつあるのに対して、細胞質で生合成されたフラボノイドが液胞へ輸送・蓄積される過程についてはほとんど不明のままである。われわれはイオンビームにより誘発したシロイヌナズナ突然変異体transparent testa19を単離し、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)と非常に類似性の高いタンパク質をコードする原因遺伝子TT19を同定した。他の植物種における解析から、フラボノイド代謝経路で働くGST様タンパク質は、細胞質領域で生合成されたフラボノイドを液胞で蓄積する際に機能すると考えられているものの、その分子機能に関しては不明な点が多い。そこで、フラボノイドの細胞内輸送機構に関してさらなる知見を得るために、シロイヌナズナ植物体において実際にフラボノイドを蓄積する種皮や胚軸上部などに注目し、TT19を中心とするフラボノイド輸送関連因子について、細胞内局在性やそのフラボノイド依存性などの検討を行ったので報告する。
吉原 亮平; 長谷 純宏; 滝本 晃一*; 鳴海 一成
no journal, ,
放射線は、DNAに傷害を与え突然変異の原因となる。生物は、その傷害を修復するためのDNA修復機構をもっている。これまでに微生物や動物において遺伝子レベルで放射線誘発変異の種類や、変異誘発とDNA修復機構の関係が調べられた。しかし、高等植物においては、それらの研究はほとんど行われていない。本研究ではモデル植物のシロイヌナズナを用いた突然変異検出システム(Yoshihara et al. 2006)により、イオンビームと線による誘発変異の特徴を遺伝子レベルで明らかにすることを目的とした。大腸菌のribosomal protein small subunit S12()遺伝子を導入したシロイヌナズナにイオンビーム及び線を照射し、変異を持った遺伝子を染色体DNAからプラスミドレスキューにより回収し、誘発された突然変異を解析した。今回は、本システムを用いて得られた結果からイオンビーム及び線の誘発変異の特徴について報告する。
河地 有木; 藤巻 秀; 石井 里美; 鈴井 伸郎; 石岡 典子; 松橋 信平
no journal, ,
植物の光合成機能の環境応答を生体組織・器官レベルで理解することは重要である。原子力機構高崎では植物中の炭素動態をポジトロンイメージング技術により可視化し、その動態を解析することで光合成機能を定量することに成功している。また、得られた動画像の画素ごとの炭素動態を解析することで「二酸化炭素固定」及び「光合成産物送り出し」の二つの光合成機能分布を提示する機能画像の作成も可能となった。本研究ではこの解析技術を用いて、同一個体が示す温度環境に応答する「二酸化炭素固定」及び「光合成産物送り出し」の機能分布を明らかにした。解析結果からは葉内組織の二酸化炭素拡散抵抗の分布や葉のソースとしての生理機能などの温度依存性を議論することができる。本研究は分子レベルの差異が植物の器官・組織レベルの生理機能に対して及ぼす影響を明示する、植物分子イメージングを実現した。
坂本 綾子; 中川 繭; 佐藤 勝也; 鳴海 一成
no journal, ,
細胞分裂周期の進行は、さまざまな内的または外的な要因によってストレスを受けており、それによってDNA複製の中断や染色体の分配異常などといった異常が生じる。細胞周期チェックポイントは、こうした異常事態の際に細胞周期の進行を停止し、適切な処理が行われるまで次のステップに移行しないようにする機構である。われわれは、シロイヌナズナの紫外線感受性変異株のスクリーニングの過程で、 (ensitive to 2)変異株を単離した。変異株は、さまざまなDNA損傷処理や細胞周期阻害剤に対して感受性を示し、その表現系は損傷チェックポイントにかかわるの欠損株に非常によく似ていた。SUV2蛋白質はコイルドコイルドメインを持つ蛋白質をコードしており、N末側にはPI3K様プロテインキナーゼのターゲット配列が存在していた。また、野生型、、及び株をDNA変異原や細胞周期阻害剤で処理し、細胞周期の指標である遺伝子の発現を観察したところ、野生型に比べて及びでは、線照射後のG2/M期におけるチェックポイント反応が弱くなっていた。以上の結果から、われわれはがの活性を制御するのシロイヌナズナにおけるホモログであると結論づけ、と命名した。